今回は、ずっと自営業者をしてきた人が75歳から年金を受給したら、月いくらの年金がもらえるのかについてです。
老齢基礎年金の繰下げ受給(昭和27年4月2日以後に生まれた方)は、75歳まで可能となります。
繰り下げた場合の増減率は、以下の計算式を使って計算します。
増額率=(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数)×0.007
※月単位で年金額の増額が行われることになり、その増額率は一生変わりません。
つまり、1カ月繰り延べることにより、0.7%ずつ増額されることになりますので、75歳までの場合は、0.7%×120カ月(10年×12カ月)=84%の増額になります。増額後の年金額は150万1440円、月額では12万5120円ということになります。
注意点としては、原則として、障害年金など他の公的年金(老齢厚生年金を除く)を受け取る権利がある場合は、繰下げ受給ができない点です。
年金を受給するには、請求をしなければなりませんが、66歳になるまで年金を請求しない場合には、「繰下げによる増額請求」または「増額のない年金をさかのぼって受給」のどちらか一方を選択できることになります。
いずれにしても、原則どおり65歳から受給するのか、繰上げ、繰下げを行うのかについては、将来の資金計画を立てたうえで、慎重に判断することをおすすめいたします。
文:坂口 猛(ファイナンシャルプランナー)
税務大学校を卒業後、税理士事務所にて約7年間勤務。大手上場企業等で、財務・会計・税務に従事した後、独立。税金・相続・会計に強い実務派FPとして活躍中。相談業務や、執筆活動をおこなっている。
2025-01-10T23:52:57Z